現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

「これしかない」と信じ、僕は血を流し、何かを守った

Buonasera. 新刊の本屋さんが近所にオープンした。 大変お世話になっていること、口べたな僕は行動で伝えられたらなと、開店に合わせてお邪魔してきた。 本に囲まれて過ごす時間で「就職活動失敗」という事故に対する気づきがいくつも生まれ出た。 「『これ…

「手に入れたい未来」は概念でしかないから

Buonasera. 就職先が決定する日。 僕の就職先は決まらなかった。 半年以上描き続けていた「理想の未来」は、あっけなく吹き飛んでしまった。 想像のもの、形になっていないものなんて、その程度だ。 こんな冷静に考えれば分かることでも、夢中になっていれば…

「遊び」の中に旅をみつけ、旅の中に「遊び」を再発見する

Buongiorno. 「遊び」について改めて考える機会があった。 周囲から学ぶ大人の「遊び」は、 飲み歩くことやアウトドアに出かけるなど、 仕事の時間以外の行為を指しているかのように感じていた。 バレルサウナという日常の中に表れた非日常の時間がきっかけ…

「発達」を軸に、社会的健康の観点で健康の認識を拡張する

Buonasera. 人の「発達」とは、生まれてから死ぬまでの心身の変化である。 時間軸を設定した時に「過去」「今」「未来」で起きる物事の総和が個人の発達であり、一生涯続く、いのちの宿命だ。 「発達」即ち「人生」と言っても過言ではないだろう。 タイトル…

思考を放棄しない人間 -「自立した個」を育むために-

Buongiorno. 昨晩の対話の中に刺激と気づきとが散りばめられていた。 時間を気にせず4時間近く話し続けられた、 あの場のエネルギーは相当に高いものだったろう。 同じ文脈を共有することでその場に対する人間のコミットメントが生まれ場のエネルギーを高め…

【感想】コミュニティナース まちを元気にするおせっかい焼きの看護師

Buonasera.本の感想シリーズ2回目。 前回は「鎌倉資本主義」を取り上げた。 地域の資本を育て増やしていくという経営の考え方に深い共感を覚え、影響を受けている。 【感想】鎌倉資本主義 - 現代の食医見習い 食べて飲んで生きる毎日 今回は「コミュニティナ…

自分の戒律

ひとりになって罪を消そうとしても 自分の戒律の罪は消せない 人は誰も罪人だから 覚えてきたものに捕まえられている (尾崎豊「太陽の瞳」) Buongiorno. 緊急事態宣言が明けて、世の中が明るく感じる。 ますます明るさが増すニュースを見て、この明るさす…

場所のホメオスタシスと、環境に変更を加える「ある一点」について

Buonasera. 札幌に復帰し1人暮らしを再開した。 1ヶ月を過ごした東京との比較が、物理・心理的に意識化されていく過程にいる。 東京は「全国大会」だという表現を目にしたことがある。 目的を持った人たちがこの場所を目指して集まり、しのぎを削る。 破壊と…

さらば根津シェアハウス

Buonasera. 東京に来て1ヶ月が経った。 楽しくて、しかも長いと感じられる1ヶ月だった。 住んだ場所を後にする。 日本でシェアハウスに住んだのはこれが初めて。 住環境について学ぶこと、考えることがたくさんあった。 息抜きの会話にも学びがあった 根津は…

【感想】鎌倉資本主義

Buongiorno. 本の感想シリーズ。 今回は「鎌倉資本主義 ジブンゴトとしてまちをつくるということ」 著者:柳澤大輔 出版社:プレジデント社 起業と地域における企業の在り方についての本。 面白法人カヤックはご縁あって名前を知っていたので取っつきやすか…

3つの心

これは手紙。 私から私たちへ送る。 住む場所を変えてから、そろそろ1ヶ月が経つ。 環境の変化は新たな出会いと、“世界”の崩壊をもたらした。 これまでの私では新しい世界への一歩に耐えられない。 人生を再び歩き出すために、私は私を、正確には3人の私たち…

「いのち」は何のためにあるのか

Buongiorno. 友人の旅先における臨死体験から、生と死の話になったその回顧録。 意識が遠のく中で友人はたくさんの人の顔を思い出したと語る。 人生やヒトの歴史を貫くものは、「愛」であると。 先祖は、食べ頃の果実を手に入れるために立体的視野を発達させ…

言語を使い分ける

Buongiorno. 同じ日本人でも話が通じない。本当に同じ? 「相手の気持ちになって考える」ということが、子どもの頃はできたはずなのに、大人になると難しさを感じる。そんな経験なかったでしょうか? どうすればまた、相手の気持ちになってコミュニケーショ…

なりたい自分 ver.2

Buonasera. 生き物がつくり出す時間の流れ。 生き物はエネルギーで動いている。 身体の中に原子炉を持っている。 食べものを入れてエネルギーを生み出し、世界に変化を及ぼす。 ニュートンのf=mgから始まる世界のエネルギーに、人間は主体的に変化を加えられ…

「健康」と食の5W1H

Buongiorno. 食事の場がもつ「健康」に寄与する力は計り知れない。WHOが定義する「健康」には3つの要素があって、それぞれ肉体的健康、精神的健康、社会的健康とされている。この3要素が満たされた状態を「健康」と定義する。病気かどうかが「健康」を決める…

【感想】ユング心理学と仏教(河合隼雄)

Buongiorno. 本の感想シリーズをはじめてみる。 アウトプット無きインプットに、答えに向かう力はない。 自戒を込めて。 河合隼雄「ユング心理学と仏教」。 日本初のユング派の心理学者である河合隼雄が、長年の臨床心理学の経験と自らの仏教のバックグラウ…

子は社会の鏡

Buongiorno. アメリカの家族カウンセラー、ドロシー・ロー・ノルトの詩 "Children Learn What They Live" (邦題:子は親の鏡)の日本語訳を試みる。 この詩に目指す食事の場、未来のエッセンスが詰まっていると直感している。 ======================== If chi…

いつもと同じ太陽があがる

Buongiorno. 日本一の霊峰、富士山。 誰もが一度は憧れる山に人生初の登頂を果たした。 雲より高いところから、地球を見下ろす。 さっきまで見えていた満点の星たちが、等級の小さいものから順に姿を消していく。 水平線から橙色の光線が伸びてきて、光線の…

なりたい自分

Buonasera. 「なりたい自分」について文字にしてみる。 読み終わったあと、あなたの「なりたい自分」についても聞かせてほしい。 中学の頃から医師という職業に憧れてきた。 分かりやすく人のためになる仕事であり、身近にいた医師の姿は尊敬に値するものだ…

マインドフルネス

Buongiorno. 目の前で起こるものごとへの関わり方について、マインドフルネスという手法についての勉強の記録と座禅の話を。 昔から仏教の、中でも禅の考え方に深いところで共鳴している。 同郷の鈴木大拙には心惹かれている。 起きたことに意味をつけたがる…

原体験の再解釈

Buonasera. 最後に訪れてから20年も経った場所を訪れた。 あの頃とはセッティングが違いすぎて「懐かしい、のかな」という変わった感情を抱いた。 人生の思い出深いシーンがある。 今のあなたの価値観の根底にある感情を揺すぶられた瞬間はありありと思い出…

うんと早めの病院見学のススメ

Buonasera. お給料をいただき働くことで見えてくる世界があるはず。 医師として1ヶ月の対価を得ることで医療者の働き方を知ることができるはず。 「早く知ってみたい」 その気持ちが半年後の卒業への気持ちを駆り立てる。 最終学年としての病院採用試験が全…

〇〇主義の雲の下

Buongiorno. あっという間に東京での1回目の平日が過ぎ去った。 このスピード感こそ、この場所の持つ力なんだろう。 これを体感したくてやってきたのだ。 自分の時間と体力には上限があるはずだが、周りのスピード感に乗せられて、不思議と力が湧いてくる。 …

人と会うこと

Buongiorno. 他人との関わりの中でしか、人は変われない。 2016.4.13 プレゼンテーションより 人と会うことについて話していたら、ふと2年生の時にサークルでプレゼンした内容を思い出した。 対面で会うだけでなく、本や映画や美術など作品もまた人との出会…

動かなかった1ヶ月で分かったこと

Buongirorno. Nothing ventured, nothing gained. (William Shakespeare) 実践の中に答えがある。 動かないでいれば何も起きない。 果たしてこの意味を理解できたのは、何もしないと決めた1ヶ月があったからだ。 「これからのために、今は何もしない」という…

理想の姿を描く

Buonasera. イタリアの話をすると、あの頃自分が最も自分らしくいられたという感覚を覚える。 朝起きて厨房に行き、仕込をして昼営業。 家に帰って仕込をして夜営業。 終わったら友人と飲んで日付が過ぎてから家に帰る。 休みの日にはいろんな場所に出かけて…

お金の捉え方

Buonasera. 環境を変えることで、人の成長速度は確かに変わる。 北海道でできなかったことが、東京でならできる。 東京でできなかったことが、北海道でならできる。 今なら自信を持って答えられる、どちらも真だ。 日本の教育にはお金について学ぶシーンがな…

やらない理由

Buongiorno. 新しい生活への不安が、日常のペースと行動範囲を制限する。 住まいが変わる、仕事が変わる、家族が増える…。 やりたいことはあったはず。 今はもう思い出すこともできない、 というわけでもない。 思い出せるはずだとどこかで感じている。 直視…

「〇〇したい」の源泉

Buonasera.イタリア流の挨拶が、あの頃の自由でいた私自身を思い出させる。 カフェでエスプレッソを飲み干し学校へ向かう。 奨学金をもらっての生活だったが、安定した収入の仕組みをつくれば再びその生活に入れると確信している。 「〇〇したい」という望み…

医学生についての自虐的考察

Buongiorno. 医学生についての自虐的考察。 医学部に入ろうと思い立つのが中学〜高校。 その後平均的には現役か1〜2浪を経て進学を果たすのが18〜20歳。 周囲の勤勉さと要領の良さに揉まれながら、6年間の勉強を終え、国家試験をクリアして医師になるのが24…