現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

2021-01-01から1年間の記事一覧

道無き道に、終わりなきいのちの歩みをゆだねて

Buonasera. なんの意味も無い言葉を、意味を込めず並べると、こんなタイトルになる。 なんの意味もない僕の24時間の積み重ねが、なんの意味も無い文章になる。 地球は回る。太陽が沈むんじゃなくて、僕らが遠ざかる。 人生に意味なんて無い。 人生に答えなん…

【3/3日目】1日の始まり、いのちの終わりを告げる〜総合在宅医療の現場で〜

Buonasera. 岐阜県岐南町にて「医療法人かがやき 総合在宅医療クリニック」における3日間の見学。 kamoshite-kuwa.hateblo.jp 3日目の朝。 ロッジの部屋で、朝日が当たる壁の木の香りとともに目を覚ます。 朝から少し作業をしていたら、理事長の市橋先生が呼…

【2/3日目】口を診て暮らしをみる「現在」の医療の姿

Buonasera. 岐阜県岐南町の「総合在宅医療クリニック」さんの見学2日目の記録。 kamoshite-kuwa.hateblo.jp この日はクリニックの「食チーム」のお二人についていくことに。 食事と医療が「健康」という目標に向けてどう動いていけるかを考えようという僕に…

【1/3日目】朝から新鮮、夜中まで新鮮な「総合在宅医療」の現場で

Buonasera. 学生最後の時間を最大限活用するために、クラッシュするまで走り続ける国家試験前最後の旅。 11月8日からは岐阜県の「総合在宅医療クリニック」さんにお邪魔して3日間、見学をさせていただいた。 kamoshite-kuwa.hateblo.jp その1日目。 さっそく…

旅人が抱える不安とシェルター

Buongiorno. これで家を離れて1週間以上経つ。 自らを元来の旅人であると思っているが、今回の旅は今までになく負荷が大きい。 仕事を抱えながらの仕事探しに、国家試験対策。 自ら招いたハードスケジュールの中で、えも言われぬ不安と無力感に向き合った夜…

地域と医療者 「上医」とは何か

Buongiorno. 今年はMAKERS UNIVERSITYといういわゆる「起業家の育成塾」にお世話になっている。 ※いわゆる、であって「起業」という言葉についても大いに補足したいがここでは割愛する。 この私塾、もちろん倍率がしっかりと高いのだが、なんと学生側は支援…

【0/3日目】「幸せになるため」医師の先輩からいただいたもの

Buongiorno. 岐阜県にて在宅医療を展開されている医療法人かがやきさんの「総合在宅医療クリニック」と「かがやきキャンプ」を見学させていただいた3日間のシリーズ。 kamoshite-kuwa.hateblo.jp 今回はそのプロローグ。 かがやきのHPはこちらから 医療法人…

「これしかない」と信じ、僕は血を流し、何かを守った

Buonasera. 新刊の本屋さんが近所にオープンした。 大変お世話になっていること、口べたな僕は行動で伝えられたらなと、開店に合わせてお邪魔してきた。 本に囲まれて過ごす時間で「就職活動失敗」という事故に対する気づきがいくつも生まれ出た。 「『これ…

「手に入れたい未来」は概念でしかないから

Buonasera. 就職先が決定する日。 僕の就職先は決まらなかった。 半年以上描き続けていた「理想の未来」は、あっけなく吹き飛んでしまった。 想像のもの、形になっていないものなんて、その程度だ。 こんな冷静に考えれば分かることでも、夢中になっていれば…

「遊び」の中に旅をみつけ、旅の中に「遊び」を再発見する

Buongiorno. 「遊び」について改めて考える機会があった。 周囲から学ぶ大人の「遊び」は、 飲み歩くことやアウトドアに出かけるなど、 仕事の時間以外の行為を指しているかのように感じていた。 バレルサウナという日常の中に表れた非日常の時間がきっかけ…

「発達」を軸に、社会的健康の観点で健康の認識を拡張する

Buonasera. 人の「発達」とは、生まれてから死ぬまでの心身の変化である。 時間軸を設定した時に「過去」「今」「未来」で起きる物事の総和が個人の発達であり、一生涯続く、いのちの宿命だ。 「発達」即ち「人生」と言っても過言ではないだろう。 タイトル…

思考を放棄しない人間 -「自立した個」を育むために-

Buongiorno. 昨晩の対話の中に刺激と気づきとが散りばめられていた。 時間を気にせず4時間近く話し続けられた、 あの場のエネルギーは相当に高いものだったろう。 同じ文脈を共有することでその場に対する人間のコミットメントが生まれ場のエネルギーを高め…

【感想】コミュニティナース まちを元気にするおせっかい焼きの看護師

Buonasera.本の感想シリーズ2回目。 前回は「鎌倉資本主義」を取り上げた。 地域の資本を育て増やしていくという経営の考え方に深い共感を覚え、影響を受けている。 【感想】鎌倉資本主義 - 現代の食医見習い 食べて飲んで生きる毎日 今回は「コミュニティナ…

自分の戒律

ひとりになって罪を消そうとしても 自分の戒律の罪は消せない 人は誰も罪人だから 覚えてきたものに捕まえられている (尾崎豊「太陽の瞳」) Buongiorno. 緊急事態宣言が明けて、世の中が明るく感じる。 ますます明るさが増すニュースを見て、この明るさす…

場所のホメオスタシスと、環境に変更を加える「ある一点」について

Buonasera. 札幌に復帰し1人暮らしを再開した。 1ヶ月を過ごした東京との比較が、物理・心理的に意識化されていく過程にいる。 東京は「全国大会」だという表現を目にしたことがある。 目的を持った人たちがこの場所を目指して集まり、しのぎを削る。 破壊と…

さらば根津シェアハウス

Buonasera. 東京に来て1ヶ月が経った。 楽しくて、しかも長いと感じられる1ヶ月だった。 住んだ場所を後にする。 日本でシェアハウスに住んだのはこれが初めて。 住環境について学ぶこと、考えることがたくさんあった。 息抜きの会話にも学びがあった 根津は…

【感想】鎌倉資本主義

Buongiorno. 本の感想シリーズ。 今回は「鎌倉資本主義 ジブンゴトとしてまちをつくるということ」 著者:柳澤大輔 出版社:プレジデント社 起業と地域における企業の在り方についての本。 面白法人カヤックはご縁あって名前を知っていたので取っつきやすか…

3つの心

これは手紙。 私から私たちへ送る。 住む場所を変えてから、そろそろ1ヶ月が経つ。 環境の変化は新たな出会いと、“世界”の崩壊をもたらした。 これまでの私では新しい世界への一歩に耐えられない。 人生を再び歩き出すために、私は私を、正確には3人の私たち…

「いのち」は何のためにあるのか

Buongiorno. 友人の旅先における臨死体験から、生と死の話になったその回顧録。 意識が遠のく中で友人はたくさんの人の顔を思い出したと語る。 人生やヒトの歴史を貫くものは、「愛」であると。 先祖は、食べ頃の果実を手に入れるために立体的視野を発達させ…

言語を使い分ける

Buongiorno. 同じ日本人でも話が通じない。本当に同じ? 「相手の気持ちになって考える」ということが、子どもの頃はできたはずなのに、大人になると難しさを感じる。そんな経験なかったでしょうか? どうすればまた、相手の気持ちになってコミュニケーショ…

なりたい自分 ver.2

Buonasera. 生き物がつくり出す時間の流れ。 生き物はエネルギーで動いている。 身体の中に原子炉を持っている。 食べものを入れてエネルギーを生み出し、世界に変化を及ぼす。 ニュートンのf=mgから始まる世界のエネルギーに、人間は主体的に変化を加えられ…

「健康」と食の5W1H

Buongiorno. 食事の場がもつ「健康」に寄与する力は計り知れない。WHOが定義する「健康」には3つの要素があって、それぞれ肉体的健康、精神的健康、社会的健康とされている。この3要素が満たされた状態を「健康」と定義する。病気かどうかが「健康」を決める…

【感想】ユング心理学と仏教(河合隼雄)

Buongiorno. 本の感想シリーズをはじめてみる。 アウトプット無きインプットに、答えに向かう力はない。 自戒を込めて。 河合隼雄「ユング心理学と仏教」。 日本初のユング派の心理学者である河合隼雄が、長年の臨床心理学の経験と自らの仏教のバックグラウ…

子は社会の鏡

Buongiorno. アメリカの家族カウンセラー、ドロシー・ロー・ノルトの詩 "Children Learn What They Live" (邦題:子は親の鏡)の日本語訳を試みる。 この詩に目指す食事の場、未来のエッセンスが詰まっていると直感している。 ======================== If chi…

いつもと同じ太陽があがる

Buongiorno. 日本一の霊峰、富士山。 誰もが一度は憧れる山に人生初の登頂を果たした。 雲より高いところから、地球を見下ろす。 さっきまで見えていた満点の星たちが、等級の小さいものから順に姿を消していく。 水平線から橙色の光線が伸びてきて、光線の…

なりたい自分

Buonasera. 「なりたい自分」について文字にしてみる。 読み終わったあと、あなたの「なりたい自分」についても聞かせてほしい。 中学の頃から医師という職業に憧れてきた。 分かりやすく人のためになる仕事であり、身近にいた医師の姿は尊敬に値するものだ…

マインドフルネス

Buongiorno. 目の前で起こるものごとへの関わり方について、マインドフルネスという手法についての勉強の記録と座禅の話を。 昔から仏教の、中でも禅の考え方に深いところで共鳴している。 同郷の鈴木大拙には心惹かれている。 起きたことに意味をつけたがる…

原体験の再解釈

Buonasera. 最後に訪れてから20年も経った場所を訪れた。 あの頃とはセッティングが違いすぎて「懐かしい、のかな」という変わった感情を抱いた。 人生の思い出深いシーンがある。 今のあなたの価値観の根底にある感情を揺すぶられた瞬間はありありと思い出…

うんと早めの病院見学のススメ

Buonasera. お給料をいただき働くことで見えてくる世界があるはず。 医師として1ヶ月の対価を得ることで医療者の働き方を知ることができるはず。 「早く知ってみたい」 その気持ちが半年後の卒業への気持ちを駆り立てる。 最終学年としての病院採用試験が全…

〇〇主義の雲の下

Buongiorno. あっという間に東京での1回目の平日が過ぎ去った。 このスピード感こそ、この場所の持つ力なんだろう。 これを体感したくてやってきたのだ。 自分の時間と体力には上限があるはずだが、周りのスピード感に乗せられて、不思議と力が湧いてくる。 …