Buonasera.
遊ぶときは遊ぶ。
働くときは働く。
休むときは休む。
労働によって得られる生きる力は計りしれないが、働くために生まれてきたのではないと思う。
夢の国での気づきを。
大人になって訪れると見え方が随分と違う。
経済があってはじめてこの装置が成立し、ある概念が人々の中に共有され、関わる人たちを悦ばせている。
この装置の中で過ごすうちに「変身願望」に意識が向いたので書いてみる。
ユングの言葉を借りると、人間は「元型」というものを持っていて、意識の上では決して捉えることのできない人間存在の根源となるものがあるという。
それを意識という陽の下に引っ張り出すことはできないのであるが、人間誰しもに必ず当てはまる、人間の意識の基礎になるものだということらしい。
毎日の生活から逃げ出すようにあなたはたくさんの選択肢の中から趣味を選び時間を使う。
趣味の時間を過ごすあなたは、たとえば最新の家電製品に精通した情報通になるだろうし、おしゃれなカフェで読書をするイケてる知識人になるかもしれないし、好きなバンドやキャラクターを追いかける熱狂的ファンになるかもしれない。
夢の国にもそういった人々が訪れる。
普段の職場の姿や家での姿から離れて違う自分でいたい。
大切に扱われたい。
変身したい。
このような指摘を嫌う人は少なくないだろうが、自己実現という名を借りた逃避行動としての変身が世の中に溢れている。
一方でそれが大人だけのものでないとも気付かされる。
特定のキャラクターの格好をした子どもたち。
とても学校には着ていけないような大きな羽のついた服、布面積の小さい服、きらびやかな装飾のついた服を着ている。
彼らもまた変身を求める。
この段階での変身は、逃避の変身というよりは狭い世界における純粋な自己実現の変身といえると思う。
「なりたい」と願った自分の姿を実現できる場所としての夢の国が、人間の元型の近く、深層の部分で人間が変身を求めていることに気づかせてくれる。
大人も子どもも変身を求めている。
成長の過程で変身の仕方は、広い世界を知ってより成熟度を増すかと思いきや、言い訳まがいの自己逃避の道具に成り下がってしまう。
「〇〇になりたい」
その純粋な声をまっすぐと受け止めて、険しい現実世界の中で己を実現すること。
困難で、危険で、しかし人生のどこかで避けることのできなくなる、人間存在が抱える課題なのだろう。
準備には時間がかかる。
いつ闘いが始まろうとするかは人によるため、一概には言えない。
先延ばしにせず挑むことがあなたの課題であり、全人類の課題なのだろう。
Buona serata.