現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

大きく語る。語るほどに大きくなる。

Buonasera.

 

医師国家試験が終わり、

これからは「大学生」でも「医学生」でもなくなる。

この日を待っていた。

これが自立かというと、そうではない。

また新たなシステムの中で肩書きを与えられることになる。

大学生の期間で挑戦し、冒険し続けたことで少しずつ、この肩書き更新の渦から抜け出す準備ができてきたと思う。

 

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人も組織も、語る以上に大きくなることはできない。

今現実で無いことを胸を張って語ることで、物事は実現する。

だから大きく語ろう。

実現するまでやり続ければ、そこに嘘はない。

 

僕自身は、「現代の食医」になろう。

精神科領域からのアプローチで、僕が愛していきたい飲食の世界に「身体的健康」「精神的健康」「社会的健康」およびこれからの健康の概念をインストールしよう。

この未来で飲食店は「健康に過ごすために欠かせない場所」にアップデートされる。

飲食店マネジメントに健康のプロフェッショナル(特に医師)が関与することが当たり前の世の中をつくろう。

 

そして飲食店を発端に、家庭に向かおう。

世帯に合わせた最適な食生活が営まれ、全て子どもたちの発達へと還元される食卓をつくろう。

この未来で、子どもたちは外の世界で傷つきながらも戦える安全地帯かつ回復の場所、いわば「人生のセーブポイント」を1人3カ所以上手に入れる。

1カ所は自らの家庭の中に、もう1カ所は親戚や友人宅に、そして1カ所は飲食店に。

人の心が食事の場に紐づいている世界だから、達成できる。

 

この未来で、厚生労働省をはじめとした国の機関とのプロジェクトを動かそう。

日本全体が食事の場から健康になることが当たり前になり、世界に日本の食事の在り方を示そう。

日本の食事の在り方が観光資源になって、世界から来た人びとが日本の食卓に溶け込む。

日本人と世界の人びとの間にあった壁が、食事の場によって融け合う。

日本人が世界の食事に触れ、食事の場の価値をさらに更新させる。

食事の場で人が分かり合えることを示そう。

 

醸鹿は続いていく。

お酒がこの世の中に存在する理由と、お酒の功罪を明らかにし、嗜好品では無く「必需品」としての世界と酒の関係性を定義し、世の中からアルコール依存症とアルコールによる健康障害をなくしながら、「アルコールがあるからこそ人がより良く生きられる方法」を示そう。

国税局や日本を代表する酒造メーカーとともに、酒と人間の関係性をアップデートしよう。

世の中の選択によって、世代を超えて残るべき酒を残し、消えるべき酒を供養しよう。

 

いま目の前にある課題を、極めて個人的なものすら含めて大きく語り、届けよう。

僕個人の問題も、すべてここまで語ったこれら未来へとつながっている。

人生というプロジェクトは、信頼できる誰かと進めるほうが絶対に楽しくて、危なっかしくて、面白い。

 

僕ができないことを、これまで誰が証明したか。

最期を迎えるとき、答えは立ち現れる。

そこまで答えは存在しない。

 

今日また再びゼロになって、歩き始めよう。

歩くほどに、語るほどに、僕も、あなたも、この話も人の輪も、大きくなっていく。

 

Buona serata.