Buongiorno.
世の中には「やったことがあること」と「やったことがないこと」の2つしかない。
小・中学生向けにイタリア留学の経験をプレゼンテーションする機会をいただいた。
やったことがないことにトライする気持ちは、歳を重ねるごとに小さくなっていると感じずにはいられない。
腰が上がりづらくなっているというべきか。
うまくいかなかった記憶に引きづられる。
この歳でまた失敗することにためらう。
なまじ「やったことあること」が多くて、その居心地のよさに一歩踏み出すことができなくなる。
もし自己評価が低いと、引きづられ、ためらい、踏み出せないのループに拍車がかかっていく。
経験ってのは、積めば積むほどプラスに働くわけでもない。
ひとつひとつの経験に対する当人の解釈はきわめて重要になる。
自己評価を高めるというより、自己を正当に評価する術を持つことが肝心なんだろう。
まずは小・中学生へのプレゼンテーションをやり切ったことに、ささやかながら自分を褒めてみる。
挑む限り、白線を越えた先はセレンディピティ(偶発するできごと)に溢れている。
目の前に現れる偶然を解釈しようとする営みが、人生を変えていく。
経験ばかり積み重ねようとしても、器の大きさには限りがある。
サイズのある素材を、丁寧に思考の蔵へ移動させる。
醸されたアイデアの核を抽出して、樽で寝かせて変化を楽しむ。
速く飲み干すことだけが人生の正解ではない。
日の出が早く、日没が遅い十勝。
建物が少なくて、遮るものがないからだろう。
たっぷりの日光は、作物にも人間にもエネルギーを与えてくれる。
とかち晴れの朝は、生命が上向いている。
太陽のエネルギーが、体内で生きるエネルギーに変換される。
ビタミンDだ。
光合成みたいなもんだな。
良い一日を。
Buona giornata.