現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

個別性の統合と、食事を通じた科学コミュニケーション

Buongiorno.

 

 

いま取り組んでいることについて。

「食事を通じた科学コミュニケーション」を模索しています。

ご縁をいただき形を持ち始めているビスコッティは、年末にこれまたご縁で実現に至った日本酒ギフトシェア「緒 -itoguchi-」に続く"実験"です。

目指す食事から健康をつくる医師、「現代の食医」は、データや理論を語っておしまいという姿をしていません。

一方で食品会社を営んでいるわけでも、店舗で待ち構えているわけでもない。

バックグラウンドは医師であり医療者、科学技術コミュニケーター、料理人、つくる人。

外に出て、つながりを感じながら、人の心の深いところにある「苦しみ」にタッチしたい。

苦しみがそこに在る理由を見つめ、食事という切り口で手を当てたい。

 

医師として関心がある領域は、小児科(子どもの幸せ)、糖尿病・腎臓・消化器(食事が直結)だと信じてきたけど、元来精神領域には深い関心があります。

食べて元気になるって、栄養だけの問題じゃない。

身体にいいものを食べて元気になることも、心に良い環境で食べて元気になることも、それぞれが複雑に絡み合って、食事が「回復」の場所になっている。

 

身体にいいものと、心に良い環境。

考える時間や整える方法が見つからないほど忙しくなっていませんか?

それこそが現代が抱える課題だと思います。

 

その人にとっての回復になる食事を、理論をもって処方することはできないだろうか。

個別性は認められる。

正しいとは思う。

だからこそ、個別性を統合して、もっと多くの人が自分だけの個別性にたどり着けるようにしたい。

西洋と東洋が融合する「食事」をつくりたい。

イタリアで見てきた、みんなで食事を囲みカメリエーレ(ホールスタッフ)と会話する食事の場こそ、日本の現状よりよっぽど「東洋的」だったとも言えなくない。

家庭料理も、地中海食も、薬膳料理も、世界の料理も、整理して、みんなが使えるものにしていきたい。

 

それが「現代の食医」なんじゃないかな。

 

早起きして、NetflixでChef's tableを観ながら、クリアな頭で文章を書く。

ここ1ヶ月で一番リラックスしてる気がする。

良い一日を。

Buona giornata!