現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

問いの質「自分は何者なんだろう」

Buongiorno.

 

「存在の理由に徹して信仰の確立した人は、自分がいつもこの世界の中心となり主人公となる。」(鈴木大拙全集「信仰の確立」から)

 

「自分は何者なんだろう」

誰もが人生の中で一度は己を見つめる機会を得る。

最近わかったのは、人生の若い頃、この問いの質は非常に低く、何度も何度も問い続ける中で高い質で問うようになるということ。

 

中学で生きる意味にぶつかり、はじめて自問した。

その時は尾崎豊に出会い、「医師」という職業のおかげで、この道だと信じて前に進むことができた。

 

大学受験は一度で成功せず、浪人していたころ。

本当に医師になりたいのかを自問した。

その時はパッチアダムスや若月俊一、鎌田實といった医師の姿を知り、やはりこの道だと確信を持って進んだ。

 

留学も入れて大学も7年目になり、医師になる未来がいよいよ目の前にやってきた。

たくさんの人とのご縁で、多様な生き方を知った。

医師の多様性はもちろん、生産者、アーティスト、被雇用者、経営者…。

大学入学前の人生で出会うことのなかった職業の方々に出会った。

医師というのはあくまで職業としてのくくりでしかなく、「自分は何者なんだろう」という問いの答えではないことに気づいた。

 

まだまだこの問いの質は上がっていく。

この問いに答えられるようになりたいから、長く生きていきたいと思う。

これからも変わっていくことを分かった上で、今の僕は答える。

「私は医師であり、料理人であり、表現者である」

 

はやくお医者さんになりたいな。

Buona giornata.

 

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