現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

大きな哀しみの中で笑って生きていく

Buonasera.

札幌のマンションにはほとんどクーラーがありません。

室内で熱中症になってました、くわっちです。

温暖化の影響で、慣れてない北海道の人たちがバタバタ倒れそう。

気分なので、ぼんやりとした話をしてみます。

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久々にイタリアで苦しめられたリゾットつくったら、けっこう上手くできた

 

概念の話が大好きです。

思想の話が大好きです。

かみ合わないとか方向が違うとかそういうことは全く問題では無く。

概念を頭の中一杯に広げて生きる、

思想を懐に抱えて日々を探求する、

その人の冒険家的精神、「生きる姿勢」に感銘するわけです。

 

忙殺が、誰しものもとに必ず訪れる。

「時間があると思う人は、まだ何かできると思う人は、

今のうちに、うんと心の財産を増やしておくといい」

と言った彼の言葉は、

25になってやっと分かるようになってきた気がする。

 

頭の中にたしかにある、緑溢れる庭の中。

豊作のときはゾーンみたいなもので。

心の中を覗くのは気持ちがいいものではないけれど、

足を前に進めると収穫があることを知っているからやめられない。

やめることは生きる姿勢を放棄することでもあるから、

休んだって、やめることはない。

 

「生まれたことに意味があり、僕を求めるものがあるなら」

ずっと支えてくれている詞は、

「僕を求めるものがあるなら」

というたった一文で、

進める足を保護し、軽くし、一歩を勇気づけてくれた。

医師を目指した理由を思いつく限りで答えてみてたんだけど、

本当は「人に求められる自分」になりたくて、

高校生までの狭いちっぽけな自分の世界の中で、

ひかり輝く「人に求められる理想の職業」を追い求めていたのかもしれない。

 

いろんな人生がある中で、

僕は僕で勝手に苦しんで生きてきたし、

これからもふと詞に涙するくらいには心穏やかではないんだけど、

大きな哀しみの中で笑って生きていくために、

足は前に進んでいくんだと思う。

 

この涙が、

酒のせいじゃないことを祈って。

年齢重ねると酔い方まで変わっちゃうとしたら、いやだなあ。

 

良い夜を。
Buona notte.