Ciao.
必死で夢中でやっていることがあるとあっという間に時間は過ぎるもので。
懐かしい感情が蘇った食と記憶のお話。
時刻は11時前。
実習の休憩時間に病院内のタリーズへ。
今週で年内の実習はおしまい。
ご褒美がてら
「イタリアでは午前中はこうだよね」
なんて、カプチーノと甘いものという懐かしい組み合わせで頼んで食べる。
食べ終わる頃に、ほんのり懐かしくなってきた。
カプチーノの風味と泡立てたミルクの満腹感。
レストランインターンの記憶をくすぐる。
10時頃にレストランに入って仕込みを始め、11時くらいにホールの人(カメリエーレ)がキッチンにエスプレッソかカプチーノを持ってきてくれる。
ぼくはいつもカプチーノ。
朝は9時頃に起きて、時間があればヨーグルトをちょこっとだけ食べて出るからカプチーノがちょうどいい。
お腹がほどよくいっぱいになる。
たまに甘いクリームが入ったクロワッサンなんかを誰かが持ってきてたりして一緒につまむ。
温められたミルクの香りは30分くらい鼻に抜け続けて気持ちが落ち着く。
ちょっとぼんやりするような感じ。
さあ昼営業、がんばるぞ、というスイッチになっていた。
今日何気なく久しぶりに飲んだ、午前11時のカプチーノ。
食事でよみがえるイタリアの記憶。
あの時がんばれた僕は、もうちょっとがんばれる。
記憶が心を後押しする。
食べものに生かされている。
食べものの記憶に生かされている。
午前11時のカプチーノ。