現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

息抜きの方法すら、変わるもの

Buonasera.

コロナウイルス、イタリアに進行中です。

イタリア語が読めるおかげで最新情報追えてます、くわっちです。

7月、8月のミシガン大学への留学の手続きは着々と進み、

復学後9月から始まる病院実習の書類提出を終え、

少し先の未来を考えることでいつもの調子を取り戻しつつあります。

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いつものBAR。急に出してきて嬉しかった。

 

今日は留学に大事な息抜きの話〜。

息抜きは心を支える柱。

そんな息抜きの方法も変わりつつあるので文字にしてみます。

 

①週に1回のランニング

日本でもやっていた習慣をランニングシューズごと、こちらに持ってきました。

僕はたまに身体を動かさないと頭にモヤがかかったようになります。

レストランの立ち仕事が1日に計11時間ほど。

ですが、これは運動とは違う体力の使い方なのでノーカウント。

休みの日が近づいてくると

「やったー、そろそろ走れる」

って感じでがんばれたりします。

ちなみに1回で40分〜1時間、8〜10kmほど走ります。

フィレンツェの街を走るの気持ちいい。

 

②いつものBARへ

フィレンツェに来てから作った習慣。

BARについては昔の記事で述べましたが、

caffè(エスプレッソ)飲んだり酒飲んだりするお店の総称です。

いつも行ってるので店員6人みんな顔見知り。

Banco(カウンター)でcaffèを飲みながらチョイっとお話してチョイっといじられたりしてると、

フラットな自分に戻れます。

軸を取り戻す場所ができたのは初めの2ヶ月間ほぼ毎日通ったおかげ。

caffè1杯が1.1ユーロ(140円くらい)だし、

これだけ心の安定を得られるならイイ投資だったのでは。

留学される方には外に居場所を作ることオススメします。

家の中だけだとストレス溜まっちゃうし。

 

③本を読む、映画を観る

日本でもやってる家でできる息抜き、習慣です。

本や映画は他者との対話 。

留学の間はただでさえ自国より不自由。

会える人の種類もバラエティーもどうしても限られてしまう。

常に思考を新しく刺激的に。

そのためには本や映画を通した作者との対話はプライスレスです。

 

④旅に出る

刺激を求める自分の性格状、できる限り出かけます。

フィレンツェ外、イタリア外へはもちろんですが、

フィレンツェの中にもまだまだ知らないところがいっぱい。

1人で出かけることで自分との対話の時間も得られて心の整理がつき一石二鳥。

 

⑤人に会う

本や映画よりダイレクトで、一方通行じゃない刺激が得られます。

僕は人との対話が大好き。

刺激的でスピード感のあるやり取りにはうっとりしてしまいます。笑

幸いなことにトビタテ生がフィレンツェに遊びに来てくれたり、

今の時期は卒業旅行で日本の知り合いが来てくれる。

時にはこちらから逢いに出かけていくこともありました。

イタリア人の友だちが全然増えないのが今の悩み。

 

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今日のPeposo(ペポーゾ)はうまかった

 

さて。

息抜きの方法が変わりつつあると述べました。

今は⑤について見直している時期です。

イタリアに来た頃、

レストランインターンが始まったばかりの頃、

自分に余裕が無く頼れる人を無意識に求めていました。

そんなとき、すぐに身を寄せ合えるのは同じ国の人たち。

僕自身ありがたいことに日本人のご縁に恵まれて大事な柱の1つに据え、

心の安定を保っていました。

しかし。

ここのところイタリア生活にもレストランインターンにも慣れ、

余裕が出てきました。

すると思ったのです。

 

「ちょっと柱多すぎんか。」

 

すぐに集まって話せるのが同じ言語を持つ強み。

つらいことも日々の何気ないこともすぐに出し切れます。

気持ちを安定させるのに非常に重要なことだった。

ただ、現状の僕は放っといてもかなり心が安定している。

 

「せっかくイタリア留学に来とるもんな、冒険せな」

「もう少ないこの滞在時間、ワクワクする使い方せな」

 

というわけで日本人と一緒にいる時間を減らしつつあります。

 

誰かとご飯に行けば色々食べれるのはWin Win。

でも日本語での会話が生まれることや複数人でいることによって、

イタリア人と話すチャンスを失っているかもしれない。

イタリア人の仕草やふるまいを観察するチャンスを逃しているかもしれない。

 

外に出て知り合いと酒を飲み交わしリラックスするのは楽しい。

でも1人で飲みに行っていれば何か新しいイベントが発生しているかもしれない。

家に帰って本を読んだり映画を観たり、

帰国後のその先に向けてすべき準備をする時間を削っているかもしれない。

 

 

 

海外に出て知った事実として、

他国では同じ国(地域)出身の人が大なり小なりコミュニティを形成します。

心の平穏を保つにも情報をシェアするにも新しい繋がりを得るにも素晴らしいこと。

しかし時にコミュニティから出づらくなることもあると考えます。

 

また、留学生は時間が限られています。

少ない時間の中で自分の目的を見失ってはいけない。

ワクワクを大切に、行きたいと思うところへ行く。

日本でもやってきたことをこのフィレンツェの土地でも始めたわけです。

 

習慣を変えて3,4日で効果は出始めたようです。

ちょっと増えていた飲酒の機会が減ったことで、

頭はよりクリアに。

自分の時間ができたことで内省が進み、

さらにずっと頭がクリアに。

かなり見通しが効くようになってきました。

 

 

 

留学で母国を離れcomfort zone(居心地よい場所)を離れる。

新しい土地に適応する。

時間が経てば新しい土地にconfort zoneができる。

これを基盤にまた新しい機会を求めて冒険する。

決して自分がつくったcomfort zoneに囚われないように。

自分の可能性を自分で消してしまわないように。

「かもしれない」の想像力を持ち続けることで一歩を踏み出していける。

 

明日はもっと良い日にできるかもしれない。

Buonanotte.