現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

Slow food発祥の町へ

Buongiorno!

クリスマスイブですね、今日も仕事ですくわっちです。

街中Natale(ナターレ=クリスマス)一色。

お祭り気分で遊びに行くとき、

その裏側ではサービス提供のために働いている人たちがいるんだなって。

あ、愚痴だ…。

 

 

 

週末はイタリアの北西の都市トリノからさらに1時間ほど電車で移動した

Bra(ブラ)という町に行ってきました。

ここはSlow food(スローフード)という運動の発祥の地。

ファストフード盛況の世にあって、

それに対して土地の伝統的な食文化や食材を見直すため1986年に生まれた運動。

タツムリのマークが目印です。

f:id:kamoshite_kuwa:20191224184731j:plain

朝からSlow foodのマーケットも

Slow food発祥ということもあり、

この町には「食科学大学(Universita degli studi di Scienze Gastronomiche, The university of Gastronomic sciense)」という食についての専門教育を受けられる大学があるのです。

元々イタリアに留学したいと思ったのは、

この大学に行きたかったからだったりするのです。

学部コースは2年と3年、大学院コースは1年と2年であり

トビタテに申請すること、

1年限りの休学であること、

大学院の資格は無かったことなどなどの原因で叶いませんでしたが、

こうしてBraに来られたことが嬉しい、嬉しい、嬉しい!な週末でした。

 

その食科学大学に通う友人のおかげで

Braの町、Bra郊外やAlba(アルバ:白トリュフ祭りで有名な町)などたくさん連れて行っていただきました。

ワイナリー見学も手配していただいたり、星付きレストランで働いていたシェフが自分の作りたい皿のために郊外に開いたレストラン、イタリアのクラフトビール生みの親Baladinの本店、知らなきゃ行かない日本でいう町の中華屋みたいな家庭料理のレストラン(ハウスワインが500mlでたったの3.5€!)、日本人がオーナーをしているバールなどなど盛りだくさんでした。

f:id:kamoshite_kuwa:20191224190545j:plain

大学前にも連れて行っていただき感動が爆発

 

Bra周辺はワインでも有名な地域。

ピエモンテ州バローロバルバレスコといえばイタリアワインの王、女王と呼ばれております。(ともにネッビオーロという品種を使用)

土着のブドウ品種によるワインこそイタリアの楽しみ。

Cascina Sariaというワイナリーでアルネース、ネッビオーロ、ドルチェット、バルべーラといった土着品種を解説付きで試飲できたことでワイン経験知がグッと上がった週末でもありました。

f:id:kamoshite_kuwa:20191224192939j:plain

土壌や日当たりに合わせて品種を変えて植えられているブドウ畑

もちろん食べまくってもおります。

僕が食べたピエモンテらしいものといえば、

Bitello Tonnato, アニョロッティ、特産のヘーゼルナッツを用いたスイーツ、バーチョディダーマ、イタリア北部で肉の生産が有名な土地故の生肉のソーセージ、生肉のタルタルに生肉のタリアータ(薄切り)etc

これだけピエモンテらしいものを楽しめたのも連れ回してくれた方々のおかげです。

f:id:kamoshite_kuwa:20191224193515j:plain

奥がBitello tonnato。仔牛(bitello)を茹でたものにツナ(tonno)のソースがかかってます。

 

せっかく動きやすいFirenzeにいるのだから、

どんどん外に出て行こうと改めて思えた週末でした。

地域が違えば違って当たり前のイタリア食文化を見て回るために来たんだから!

さあ今週はNatale当日に、年末シーズンへの突入。

仕事が大変ってことは、レベルアップシーズンでもあります。

楽しむぞ〜。

Buona giornata!