現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

「帰国できない不安」との旅(スペイン逃亡劇vol.6)

Buongiorno!

週5で学童で働く日々です、くわっちです。

こんなタイトルで始めると、いま実家で生活できていることが有り難いです。

 

Stay homeで医療機関を守る、スペインへの旅vol.6。

思わぬ出会いで楽しく飲んだ次の日です。

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朝一のマラガのマーケット。人は少なかった。

この日は不安からの起床。

前日に、COVID-19が着実にスペイン全土に拡大していることを一緒に飲んだ方から聞いておりました。

すでにマドリードは都市封鎖されていたはず。

 

マラガがこの旅の最後の街だったので、あとは予約の便で帰国するのみ。

マラガ⇒グラナダバルセロナ⇒パリ⇒日本

の移動をバルセロナまで済ませるのがこの日の予定(バルセロナに深夜到着、パリ行きのトランジットのために空港泊)。

マラガからグラナダグラナダからバルセロナ

今日の移動どれかがポシャれば日本に帰れなくなるわけです。

イタリアで全土の都市封鎖が起きたのを見ているのでものすごく不安。

マラガからグラナダに戻るバスがなくなるんじゃないか、

グラナダのバスターミナルから飛行場へのバスがなくなるのでは、

バルセロナ空港への飛行機がなくなるんじゃないか。

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3月13日マラガの朝。人はいないし警察車両が行き来する。封鎖か?

ほんとこんなことなると思ってなかったからね。

スペインに一度避難して数週間で落ち着いたらイタリア戻る気でいたから。

 

そんなわけでこの日のマラガの観光は全部諦めた。

そもそも施設がほとんど閉まり始めてたし。

 

グラナダに戻るバスも午前中の早い時間に。

「午後からはもうバス無しです」ってなる可能性あるし早めに脱出だ。

今回じゃなかったんだな、いつかまた帰ってくるぞ、

というわけで無事バスは発車しマラガにお別れしました。

よかった、グラナダまでは移動できた。

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地方料理を食っておかねばと食堂へ。

グラナダ空港行きのバスまで2時間ほどありました。

食べる・飲むしかないでしょう。

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地ビールからいきましょ♪

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Tostadas!何回も言いますがスペインのバゲット美味すぎ。

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York(卵)のTostadas

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Lomo(豚肉ソテー)。2個で満足のつもりだったんだけど…

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地中海の島の特産ソーセージsobrasada。写真のメモは気にしないで。

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zurrapaもスペインの南の特産。イベリコ豚使ってる。

結局バゲット4種類食べた。笑

こんだけ食えばCOVID-19に追い回されてロクに観光できなかったのも許せた。

結局ぼくの旅に重要なのは食べものなのね。

 

ウイルスの影響で自分のバスが来ないんじゃないかとドキドキ。

ちょっと時間遅れてバスが入ってきました。よかったぁ。

ここまで全て杞憂で済んでて嬉しい。

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グラナダ空港にて。僕のは最終便。

時刻は12時。

あと10時間以上ある。笑

こんなど田舎ローカル空港(失礼)に遊べるとこなんてないし。

普段はギリギリを攻める人間、こんな時何をしようか…。

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「旅」だもん。

狭い空港に10時間もいれば感染リスクは上がる。

これから向かうバルセロナ空港、パリのシャルルドゴール空港はさらにリスクが高い。

今できることは「免疫力上げる」しかないね。

幸いなことに超快晴。

空港の周りをスモールトリップすることにしました。

最寄りのスーパーまで徒歩1時間半 のど田舎。

まずは空港からすぐのダイナーで水分補給を。

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水分補給^^

 

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ちょっと動くといいことある。

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なんにもない、歩道すらない

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スペインの南、田舎の風景。

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ボクらの太陽が頭をよぎる。「たいよーーーーう!」



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そして1時間半の歩行の果てに…

スーパーにたどり着いた!!!

休憩がてらお決まりの市場調査です。旅の目的だからね。

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なんにもない。

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ほんとにない。

このスーパーの品揃えが悪いんじゃないよ。

日本も一時期こうだった。

つい余計に買ってしまった人もいるのでは?

というわけでモノがないのでこのスーパーでは水分補給を。

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オレンジジュースマシンにチャレンジ

スペインのスーパーはだいたいこの機械が置いてあって、

生オレンジジュースを買えます。

このサイズで100円ちょっととかだったはず。

相当オレンジ取れるんだろうね、さっすが。

 

スーパーを出て引き続き休憩を。

またダイナーがあったから水分補給でもしようかね。

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かんっぺき。

グラナダはお酒1杯にピンチョス1皿タダでついてくるんだから「さっきもポテトサラダだった」とか文句言うな。

 

ダイナーにはまあまあ人がいて家族でちょっとしたパーティーしてたり。

数日後には全土で飲食業がクローズだったんだよなぁ。

そんな状況で旅するなというのは全面的に正しいし反論はない。

ただあの時の状況を今ふり返るから、冷静にそう言えるのよね〜。

ちなみに前日一緒に飲んでた方から送られてきた同時刻のマラガの写真。

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これでまた焦ってました。

飛行場を離れてる間に自分の飛行機が欠航になってるんじゃないか。

1時間半の帰り道は飛行機なくなってないかを携帯で調べまくってました。

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3日後に全土ロックダウンの記事を見つけたり

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乗る便がまだ販売してるから欠航じゃないだろうとか

 

不安と歩き疲れでヘトヘトになり空港に着いたのが6時過ぎ。

よかった、飛行機はありそうだ。

さあ水分補給を。

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これがこの日の夜ご飯

とはいえ、フライトまでまだ5時間ある。

乗るまでに何か起こってもおかしくはない。

何か起これば日本に帰国できなくなる。

帰国できなくなったら、スペインに閉じ込められたらどうしよう。

一人不安を抱えて飛行機を待っておりました。

奥の席で一人の女性が急に泣き出し、老夫婦がそれを慰めていた。

いったいなんだったんだろう。

国に帰れなくなってしまったんだろうか。

僕も不安になったことをよく覚えている。

あれが別れ話とかだったら笑えるや。

 

結局ぼくの便は1時間半も遅れたけど、無事バルセロナへ向けて飛びました。

いやー、遅れすぎでしょ焦った、よかったー。

というわけで今回はこの辺で切ります。

次回はバルセロナ⇒パリ⇒日本の移動について。

空港でまた出会いあり。

あの頃移動してた人は、みんな不安と戦ってたのね。

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待ち望んだ瞬間

 

旅要素はもうほとんど出し切りましたが逃亡劇シリーズは次回がラストかな。

また読んでいただければ嬉しいです。

Buona giornata!