現代の食医 食べて飲んで生きる毎日

長野県で料理人/医者をしています。フィレンツェで料理人してました。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

食事は数値化され、商業化する

Buonasera. 最近「食べられない」という悩みを抱える人、そういった方の周囲の人たちとの出会いが続きました。 僕自身、食品開発の形で片足を突っ込んだダイエットの分野について、磯野真穂さんの「ダイエット幻想 やせること、愛されること」(ちくまプリマ…

言葉で示していく仕事

Buongiorno. 「食べものは人と人の縁をつなぐばかりではない。断ち切るのだ。」 (藤原辰史「縁食論」より) 孤食や共食に関心を持ち始めたタイミングで、モーニングを友人と囲みながらの特別な朝に紹介されたこの本。 僕が表現していく食事の、新たな可能性…

問いの質「自分は何者なんだろう」

Buongiorno. 「存在の理由に徹して信仰の確立した人は、自分がいつもこの世界の中心となり主人公となる。」(鈴木大拙全集「信仰の確立」から) 「自分は何者なんだろう」 誰もが人生の中で一度は己を見つめる機会を得る。 最近わかったのは、人生の若い頃、…

「食べること」ができなくなるとき

Buonasera. 「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人か言い当ててみせよう。」 「美味礼賛(味覚の生理学)」の著者、フランスのブリア・サヴァランのあまりに有名な言葉です。 食べることは、ごく当たり前のこと。 人は日々、何かを口にし…

1番の「才能」

Buonasera. 「おれには分かる、なんだって分かる、自分のこと以外なら」。 フランスの詩人フランソワ・ヴィヨンの「軽口のバラード」を主人公が読み上げる。 (映画「ヒミズ」より) 自分のことがよく分からなくなっておりました。 「自分のことがよく分から…

小学生にとっての家庭料理

Buongiorno. 先日、小学生に「マンマ(お母さん)の料理」を尋ねる機会があった。 餃子、ハンバーグ、みそ汁、キャベツのスープ、野菜いためなどなど。 僕が挙げたのはカレー、ハンバーグ、冷ややっこにトマトや海苔など適当に乗せられたもの。 大人からは肉…

経験を、生きるエネルギーに変換する時間

Buongiorno. 世の中には「やったことがあること」と「やったことがないこと」の2つしかない。 小・中学生向けにイタリア留学の経験をプレゼンテーションする機会をいただいた。 やったことがないことにトライする気持ちは、歳を重ねるごとに小さくなっている…